水虫

水虫

 いわゆる水虫は医学用語では白癬と呼んでいます。勿論、足に出来る水虫(足白癬)が圧倒的に多いのですが、頭部顔面・手・体部・陰部(いわゆるインキンタムシ)まであらゆる部位に発症します。
基本的には接触感染ですので、他人の患部と接触、脱衣場やジムの足拭きマット・スリッパなどでうつります。表皮にいったん付着すると24時間程度で角質内に入り込みますので、逆に言えば24時間以内に石鹸で丁寧に洗えば理論的には水虫になりません。

診断は患部の表皮を一部採取して顕微鏡で菌を確認します。菌が確認できない場合は湿疹の可能性もあります。菌がいない場合の鑑別にはちょっとしたコツが必要です。また市販の水虫塗り薬はカブレる事が多いので億劫がらずに専門の皮膚科を受診しましょう。
また市販薬でも治らないものの、中途半端に効果のある場合があります。市販薬を使用して水虫の治りが悪い、さて仕方ないので重い腰を上げて皮膚科受診を思い立った場合、受診される一週間~10日前から市販薬を中止した上で何も外用せずに受診して下さい。
中途半端に白癬菌(水虫菌)が殺菌され、本来は水虫なのに顕微鏡で確認できず誤診の原因になります。

 医療用の抗真菌薬を使うと2週間程度で一気に良くなります。しかし、ここで中止すると再発してしまいます。厳密に言うと再発と言う言葉は正しくありません。奥に潜んでいる白癬菌(水虫菌)は2週間程度では治っていません。従って、連続で2~3ヶ月塗り続けて初めて水虫は完治するのです。

 また、足爪の濁り・肥厚は爪白癬の可能性があります。爪は外用薬では浸透しづらいので抗真菌剤を爪が生え変わる数ヶ月~半年内服します。内服薬は肝臓に負担をかける事があるので採血でチェックをします。