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粉瘤

粉瘤とは?

俗語で言うとオデキ、皮膚科では一日数人は外来で診察し、当院では一日1件は手術する

メジャーな疾患です。一応、良性腫瘍に分類されます。腫瘍なので、何らかの外科的処置を

しなければ治りません。院長は、診察時にわかりやすいように粉瘤=ニキビの親玉

と説明していますが、厳密に言うと異なります。

原因

何らかの原因(キッカケ)で、毛孔(毛包漏斗部)に一致した部分から表皮が内部に捲れ込み(迷入:内側にもぐりこむ)、袋状になり内部に角質(=アカ)が溜まり、嚢腫(腫瘍)となります。よく観察すると、捲れこんだキッカケとなった黒色の開口部(通称:ヘソ)

が中心部にあります。

原因を考慮した発生部位性別の統計

粉瘤は毛孔(毛包漏斗)のある部位には全身どこにでも発生しますが、

統計上、粉瘤の90%は男性、90%は上背部です。90%×90%=81%、つまり

粉瘤の81%は男性の上背部です。残り20%は、胸部・頚部・頬・耳裏側・頭部で占めます。

下肢の粉瘤は極めて少ないです。これはどういう事でしょうか?

つまり粉瘤は、皮脂分泌の多い不衛生になりやすい部分に発生すると言う事です。

逆に下半身は乾燥していますよね。男性の方が女性より皮脂分泌が多く、入浴も雑で

(上背部は一番手の届きにくい)不衛生な傾向があります。また肥満傾向・汗も原因の

一つです。

診断・検査

粉瘤は視診・触診(可動性が良い)のみで診断は容易ですが、まれに可動性の悪い場合(深い)、下床と癒着している場合があり、悪性や顔面の場合、耳下腺腫瘍も鑑別になります。

その場合は、総合病院でMRIなど画像検査が必要です(紹介状を書きます)。触診が大切な事がわかります。粉瘤と診断した場合は外科的処置が必要です。一般皮膚科では、手術が出来ない事が多いですが、当院では無影灯を備えた本格的な手術室があり、外来手術が可能で

す(別途予約、手術終了後そのまま職場に戻れます)

治療

応急処置(前医で切開したようだが、抜糸通院していないのはこれに該当)

きっかけとなった毛孔開口部は外界と交通しているため、感染や炎症を起こしやすく

膿が貯留し、パンパンに腫れて痛くて駆け込んできます。この場合は、抗生物質

内服より切開が有効です。針で穴をあけるだけのような中途半端ではいけません。

局所麻酔後、1㎝弱切開し、内容物(角質=アカ、膿)を徹底的に除去して

縮小させ楽になります。(例えるならば、パンパンなニキビは痛いですが、つぶれると楽になるのと同じです)粉瘤が痛いのではなく、皮膚がパンパンに引き延ばされるから

痛いのです。このままですと、腫瘍本体(袋:角質壁:嚢腫)は残ったままです。

いずれ手術(全摘)しなければなりません。これは町の皮膚科では無理です。

手術 ①くりぬき法 VS ②切開法

これはしばしばDr同士の討論の種になります。

本格的な当院は断固②切開法を推奨します。

くりぬき法

局所麻酔後、パンチという器具で直径5ミリの穴をあけ、その穴からまず内容物(角質:アカ)を絞りだして、袋被膜(腫瘍本体)を丁寧に剥がしながら引きずり出し摘出します。

長所 短時間ですむ。大掛かりな設備が不要、診察室傍らの処置ベッドで可能。傷が5ミリで小さくて済むという主張
短所 5ミリの小さい視野からの施術なので盲目的操作になり、取り残し、再発の可能性が高い。円形の5ミリの傷を無理やり引き寄せても Dog ear 状の隆起になり、意外と傷は目立つ。




切開法

開口部(ヘソ)を中心に、紡錘形にデザイン。局所麻酔後、直視下のもと

理想的には袋(嚢腫壁:腫瘍本体)ごとギリギリで最深部まで剥離、全摘出します。

嚢腫壁は極めて薄く、破ってしまうと取り残しの原因になるので、正常組織をノリシロとして最小限袋に付着させて摘出することも多いです。死腔(dead space)にならないように中縫い後、外縫いを行って終了。外縫いは10日前後で抜糸します。

長所 直視下なので確実に摘出可能。理論上再発はありえない。
短所 傷は線状で2~3㎝程度残る。


くりぬき法と ②切開法はしばしば討論になります

当院の方針(私見)は②切開法一択です

くりぬき法で他院にて手術を行った患者さま。かなりの件数が再発して当院に受診されています。くりぬき法を主張されるクリニック(Dr)は手術の技量が無いか、

もしくは設備的な問題なのでしょう。診察時にどの部屋で行うのか案内してもらうのも良いでしょう、処置室ではダメです。天井から吊り下げてある無影灯(医療ドラマでお馴染み)のある手術室で行うか確認しましょう。くりぬき法は5分くらいとお手軽イメージですが、切開法は30分~かかります。お手軽イメージに騙されないように!

Q&A

Q初診当日手術はできますか?

Aできません。確実な診察後、スケジュール調整のうえ、翌日以降の予約となります。

30分以上かかりますので、外来を中断するわけにいきません。

手術専用時間枠に全力集中します。

理由1 術前採血が必要で採血結果は翌日に判明するので。
理由2 事前に電話で初診⇒手術専用時間を予約確保した場合、無断キャンセルや、実際に初診診察したら悪性も疑われ、手術中止⇒紹介状となり、当院の手術枠に穴が開き希望されていた他の患者様に迷惑もかかるからです。ご不便をおかけしますが、当院は医療の質(内容)で勝負します。

Q通院頻度は?

  1. 初診
    予約不要、来院順
  2. 手術日
    専用時間・予約制
  3. 翌日、検診
    出血が無いか等
  4. 7~10日目前後、抜糸
  5. 1カ月検診
    問題なければ終了です。

順調な場合、5回の通院となります。

手術は30分~1時間、局所麻酔ですのでオフィスに戻って仕事を再開できます。

手術日以外は、営業時間内何時でも可。

Q 飲酒・喫煙・運動・入浴は?

術後5日程度は禁酒・運動も控えましょう。

翌日再診後、出血がおさまっていたら夜よりシャワー可。

喫煙は論外です。血流が悪くなり傷が離開します。これを機会に禁煙しましょう。

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