副乳
副乳とは?
乳腺原基(俗称ミルクライン)は左右の上腕基部―腋窩―鼠経―大腿基部を結んだラインに沿って存在します。そのうち胸部一対が乳房として残り、他は消失します。先天的になんらかの要因で消滅せずに残ったものを言います。成人女性の2%に見られます。
好発部位
腋窩・乳房直下に乳頭だけが存在する場合や、腋窩は皮下硬結(かたまり)として触知します。妊娠・生理時に腫脹や疼痛、乳汁分泌を認めることがあります。極めてまれに副乳癌を発生する事があります。
副乳頭の場合、ホクロ切除と同様に紡錘形に切除します。本稿では頻度の多い腋窩の皮下硬結について手術方法を解説します。
症状
腋窩をにしこりとして触れ、粉瘤や脂肪腫とは異なり被膜に覆われていないため、境界が不明瞭です。
治療:手術
原則として切除しかありません。副乳を脂肪吸引で吸引できると謳う美容クリニックがあります。乳腺組織は脂肪組織と異なり硬く、粒子も大きいので直径3~5ミリの脂肪吸引のカニューレ(掃除機)で吸引できるのか??信憑性が疑われます。切開して、メスと剪刀で取り除くしかありません。
まずデザインをします。腋窩の副乳の場合、腋臭症の手術の応用です。皮下の浅層か?脂肪組織下の深層の塊か?の違いです。腋窩のシワに一致するよう切開線(キズ)をデザインします。直線の場合もあれば皮膚が余剰になりそうな時は、紡錘形に皮膚切除もします。
局所麻酔後、血管や深部の神経を傷つけないように注意して、塊の上側と底面側を剥離し摘出します↓
そのまま縫合すると空洞が出来て、死腔(dead space )となり、血腫や皮膚生着不全を起こすので、ドレーン(血抜きの管)を留置して、タイオーバー(ガーゼの塊)で圧迫します。腋窩は平面ではなく、くぼんでいて立体なのでタイオーバー圧迫が重要です。タイオーバーは5日程度装着し、その間は腕の安静が必要です。
| 術前↓ | |
|---|---|
| デザイン↓ | |
| 切開・剥離↓ | |
| 摘出↓ | |
| タイオーバー↓ | |
| 術後↓ |
Q&A
Q. 費用はどれくらいかかりますか?保険はききますか?
まず診察にて、本当に副乳に該当するかを確認いたします。
ワキを閉めたときに、単なるたるみや皮下脂肪であるケースも多く見受けられます。
- 皮下脂肪・脂肪組織の場合は、自費診療での脂肪吸引となります。
- 真の副乳(乳腺組織)と院長が診断した場合のみ、保険診療での切除(摘出)が可能です。
- 当院で手術を行う場合は、院長の診察・判断に基づきます。
- 症例写真程度の状態が、保険適応の目安となります。
- 診察のうえ、保険適応となる患者様は5割程度です。
保険適応の場合、自己負担3割で3万円程度です。
お支払いは現金のみとなります。
まずは診察にご来院ください。診察は保険診療で行っております。
なお、高校生以下の手術は行っておりません。
Q. 両側にありますが、同時に手術できますか?所要時間は?
- 保険適応の場合は、平日に片側ずつの手術となります。
- 手術時間は片側約1時間です。
- 自費診療の場合は、時間外手術枠にて両側同時の手術もご相談可能です。
片側ずつの手術が望ましい理由として、保険のルールがあることに加え、術後はタイオーバー装着が5日間必要となり、患部の安静や患側の不自由が生じるためです。
Q. 何回くらい通院が必要ですか?
保険適応で片側手術を行う場合、通院の目安は以下の通りです。
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初診
電話予約制です。
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手術日
手術時間は1時間程度です。局所麻酔のため、歩いてご帰宅いただけます。
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翌日検診
出血のチェック、ドレーン抜去を行います。
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4~5日後検診
タイオーバーを抜去します。ここまでが大変ですが、その後は楽になります。
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10日目
抜糸を行います。
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1カ月後検診
経過を確認し、問題がなければ終了となります。
Q. 傷は残りますか?再発しませんか?
傷は切開線として残りますが、腋窩のシワに沿った線になるため、ほとんど気になりません。
再発は基本的にありませんが、境界が不明瞭なため、一部が取り残しとなる可能性があります。
